コロナ禍の保育現場にもっと理解を。白鳩チルドレンセンター東大阪の栗本広美理事長に聞く

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生駒山をのぼって大和路に通じる近鉄奈良線。
大阪の中心地から東大阪市の瓢箪山駅の手前まで来ると、高架下に、ベージュ色や茶色の建物が見えてくる。社会福祉法人白鳩会が運営する、幼保連携型こども園・白鳩チルドレンセンター東大阪だ。4月中旬と6月末に、理事長で園長を兼務する栗本広美さんを訪ねた。
( 文/写真 平田篤州 )

緊急アピール

コロナ禍の緊急事態宣言発出(4月7日)中の4月27日付の福祉新聞には、次のように書いた(要約)。

保育者(保育教諭)は、不死身とちゃうで!! 生身の人間や……。縮小したら、あかん?? 乳幼児が罹ったら、どうすんねん。

日本保育協会・大阪支部、大阪保育推進連盟から出た緊急アピール。原案は、栗本さんが書いた。

「園は三密です。換気もしていますが、一日中、濃厚接触しながらの保育です。医師や消防士のように防護服を着るわけにもいきません。二重マスクをして窒息しそうになりながら、遊んだり、走ったり……。なぜ私たちの仕事が今、危険だという疑問を持っていただけないのでしょうか」
「休園したいのではありません。かけがえのない宝物(園児)を必死で守っている保育現場の仕事へ、少しでも思いやりのまなざしがあってほしい、そう思っているだけです」

次代を担う人材育てる

2回目の訪問。栗本さんは、新たな事態を憂えていた。
「なんでメディアは、きちんと報道しないのでしょうか。一部の保育所だけなのに、これでは保育全体のイメージが損なわれてしまいます」
指摘したのは、国からの運営委託費が支給されているのに、コロナ禍に乗じて賃金カットをしている保育所が出ている件だ。国が5月末に、適切に人件費を支払うように注意喚起する事態になっている。

「多くの保育所は、まっとうな運営をしています。私たちがもっと情報発信するべきなのですが、メディアも、全体を見た報道を心がけてほしい」
1971(昭和46)年の開園以来、障がい児保育、乳児保育、保護者支援……。常に「社会を見る」ことをモットーに運営してきた。学童保育も行っている。栗本さんは、副園長の武藤英嗣朗さんと共に言った。
「保育現場は、今はとても科学的です。脳の発達や心理学……、しっかりと勉強しています。次世代の日本人を育てていく、そんな想いで取り組んでいます」
世間では、まだ『子守り仕事』としか見ていない……。そう言った栗本さんの言葉が、強く心に残った。